シムズ・誰にも言へない秘密

玄関に置いてある天體望遠鏡が丁度ゴス家の方角を向いてゐる。その爲、昼間覗くとゴス家のモティマーが怒鳴りにやつてくるのだつた。

誤解だと言ふのに……。

あまりにもしつこく抗議してくるので、ある日、我が家の奧までおびき寄せて、閉じ込めてやつたのだ。

しばらく監禁状態のまま放置していたら……、あれ？？



まづい。
衰弱死してしまつた。氣付いたときには既に死神が！！
もしかして私はシム殺しに手を染めてしまつたのだらうか？これは何としても隱し通さなければならない。今後、このタウンで平穩に暮らしていく爲にも。

私はただ、静かにくらしたかつたのだ。



その後、彼は幽霊となつて、我が家をうろつき廻つてゐる。
すつかり我が家の住人だ。

食事の時ぐらいは、どこかへ行つてくれないだらうか。
目の前で立たれると、非常に食べづらいのだがね。